和風なデザインを制作するコツとポイントを現役デザイナーが解説

和の雰囲気を表現したデザインを求められることは多いはずです。日本人であっても和風なデザインを制作することはなかなか難しいものです。

Renton

どういうデザインが日本らしいのか、和風な表現は具体的にどうすれば良いか最初は僕も悩みながらデザインをしていました。

そこで、現役デザイナーが和風なデザインを制作するコツとポイントを解説します。

和の雰囲気を表現するコツはいくつも考えられますが、これをしておけば必ず和風デザインが出来る!というほど簡単ではありません。

いくつものコツとポイントを組み合わせていくことで1つの世界観として「和」を表現していくのが近道です。

表現が難しい和風なデザインですが、ポイントをしっかり抑えてデザインすればプロでなくても良い和風デザインになるかと思います。

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目次

〈和風デザインを制作するコツ1〉縦書きレイアウト

まず、和風の雰囲気を表現しやすいのが「縦書き」です。

文字などをデザインに使うのであれば縦組みのレイアウトにすることで和風を表現しやすくなります。これは日本は古くから縦書きを好んで使用してきた文化であるためで、日本の文化に合わせることで和風を表現しやすくなります。

Point

日本語も縦組みをメインで考えらているため、日本語を縦組みにすると美しく見えます。

文字組みを縦組みにすることでデザイン要素は必然的に縦長になってくるので、縦型のデザインと相性が良いです。バナーなど横に長い横型のデザインなどではレイアウトが難しくなるので強くおすすめはしません。

〈和風デザインを制作するコツ2〉フォント

次に、和風の雰囲気を表現しやすいのが「フォント」です。

日本は昔から筆を使い文字を書いていたので、筆文字の雰囲気がある「行書体」「楷書体」「毛書体」などを使うと和の雰囲気が表現しやすくなります。

筆文字は和の雰囲気を表現するにはピッタリですが気をつけるポイントもあります。

Point

筆文字は読みにくいため、本文や長文などは読みやすい「明朝体」を使う

筆文字は和の雰囲気が良く出ていますが、可読性に欠けるため、ロゴやキャッチコピーなど、限定的に使うことをおすすめします。

フォント選びはデザインの世界観を決める重要な要素ですので、最適なフォントを選ばないと和風感を表現することは難しくなります。

〈和風デザインを制作するコツ3〉配色(伝統色)

和風の雰囲気を表現しやすい要素の1つとして「配色」も挙げられます。

日本にはこれまでの歴史の中で愛されてきた色や配色があるので、それらを効果的に使用すると日本らしさが表現できます。

日本を連想させる代表的な色は「」「」「」「」などです。

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これらは国旗や正月などの伝統文化などから連想されやすい色なので手っ取り早く和風なデザインにしたい場合に取り入れると効果的です。

また、日本には「伝統色」という色があります。

これまでの歴史から日本人の繊細な感性で名づけられ、長く愛されてきた日本美を表現する色なので、この「伝統色」を効果的に活用できれば和風なイメージを表現しやすくなります。

  • 赤系 → 紅葉色(もみじいろ)、唐紅(からくれない)、臙脂色(えんじいろ)など
  • 青系 → 青藍(せいらん)、紺碧(こんぺき)、水浅葱(みずあさぎ)など
  • 紫系 → 紺藤(こんふじ)、江戸紫(えどむらさき)、桔梗色(ききょういろ)など
  • 黄色系 → 飴色(あめいろ)、淡黄蘗(うすきはだ)、藤黄(とうおう)など
  • 緑系 → 若草色(わかくさいろ)、碧色(へきしょく)、翠色(すいしょく)など
  • 黒白系 → 白百合色(しらゆりいろ)、純白(じゅんぱく)、漆黒(しっこく)など

〈和風デザインを制作するコツ4〉日本のアイコン

和風の雰囲気を表現しやすい要素の1つとして「アイコン」を使うことも効果的です。

アイコンとはそれを象徴する物や生き物などのことで、日本を象徴するアイコンを使えば直感的に日本らしさを表現する事ができます。

日本のアイコン

富士山、鶴、日の丸、桜、着物、扇子、寿司、神社、錦鯉、だるま、竹、舞妓、抹茶、襖、侍、大仏、筆、盆栽、鹿威し、提灯など

これらの日本んを想起させるアイコンをデザインに効果的に導入する事で和風なデザインイメージにする事が出来ます。

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直接的すぎる場合は、日の丸を連想させる丸いシルエットだけ使ったり、枠をセンスの形にするだけでも効果的です。

直接的すぎてデザインのトーンにマッチしない場合はアイコンのシルエットなどを使い和風を匂わせるような使い方もおすすめです。

〈和風デザインを制作するコツ5〉テクスチャ

和風の雰囲気を表現しやすい要素のとして「テクスチャ」も重要です。

日本には着物などに使われてきた伝統文様(和柄)が存在します。これを上手くデザインに取り入れる事で和風な雰囲気を表現する事が可能です。

和柄はとても多くのものが存在しますが、代表的なもので「市松模様」「亀甲」「七宝」などがあります。

和柄は素材サイトなどにたくさんありますので、デザインのイメージにぴったりのものをチョイスしてください。

また、テクスチャといえば、日本には「和紙」や「染物」など和風を表現するうえで効果的な伝統工芸品もあります。

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和紙や染物生地などは背景に敷くだけでデザインが一気に和風になるので僕はよく使っています。

和風な雰囲気はテクスチャなどさりげない要素で大きく印象が変わってくるので、テクスチャも慎重に選ぶことをおすすめします。

和風なデザインを制作するコツが学べるおすすめの本

和風なデザインを制作するにはご紹介してきたように「コツ」と「ポイント」があります。

抑えるべきコツとポイントをしっかり押さえれば確実にワンランク上の和風なデザインを制作することが出来ますが、さらにクオリティを上げるには和デザインに特化した本を読んで勉強するべきです。

Renton

和風なデザインをもっと学びたい方にはこちらの本がかなり参考になります。僕も参考にしました。

全て和風なデザインを制作する上では非常に参考になるので、是非1度目を通してみてください。

和風なデザインを制作するコツとポイントまとめ

現役デザイナーが和風なデザインを制作するコツとポイントを解説しました。

和風なイメージをデザインで表現するのは最初は難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば誰にでも可能です。

紹介した5つのコツやポイントを抑えればある程度の和のデザインに近づけられると思いますが、共通する最も重要な事をお伝えします。

和風なデザインを制作するうえで最も重要なのは、日本の歴史を知り、ヒントにする事です。

Renton

日本には日本にしかない美や美意識があります。

今の日本にフォーカスするとなかなか難しいですが、特長に溢れていた古き良き日本を連想してみれば、おのずと日本らしさを表現する事ができると思います。

縦書きやフォントも昔の日本で主流だった方法で、伝統色や和柄も日本の美意識から生まれ現代まで受け継がれてきたものです。そうやって日本の歴史を遡る事で「日本らしい表現」が出来る様になると思います。

この記事のまとめ
  • 〈和風デザインを制作するコツ1〉縦書きレイアウト
  • 〈和風デザインを制作するコツ2〉フォント
  • 〈和風デザインを制作するコツ3〉配色(伝統色)
  • 〈和風デザインを制作するコツ4〉日本のアイコン
  • 〈和風デザインを制作するコツ5〉テクスチャ

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この記事を書いた人

Rentonのアバター Renton グラフィックデザイナー

制作会社でグラフィックデザイナーをしているRenton(レントン)です。
都内在中でデザイナー歴9年目です。
パッケージデザインからCI・VI、広告や販促ツール、Webやイラストなどを中心としたグラフィックデザインやトータルブランディングを仕事にしています。

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